飲食店の開業までのスケジュール
6か月逆算のやることリスト
準備で遅れが出やすいのは、融資の実行・厨房機器の納期・保健所や消防への事前相談の3点です。いずれも「工事が終わってから」では間に合いません。物件契約の前後で動き出すのが安全です。
前提なぜ逆算が必要なのか
物件を契約した瞬間から、家賃が発生します。開業が1か月遅れれば、それはそのまま売上ゼロのまま家賃を払う1か月です。 家賃25万円の物件なら、2か月の遅延で50万円。これは内装のグレードを一段上げられる金額です。
しかも遅延は、たいてい一つの工程だけでは終わりません。融資の着金が遅れれば機器の発注が遅れ、機器が入らなければ試運転ができず、保健所の検査も受けられない。 工程が数珠つなぎになっているため、最初の1週間の遅れが、最後には1か月の遅れになります。
物件探しの開始から開業までは、6か月みておくと余裕があります。居抜き物件で工事が軽い場合は3〜4か月に短縮できますが、その場合も融資と機器の納期は変わりません。
時期別6か月逆算のやることリスト
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6か月前コンセプトと事業計画の作成/資金計画/物件探しの開始/食品衛生責任者の講習を予約講習は地域によって数か月先まで埋まっていることがあります。ここで押さえておかないと、営業許可の申請に間に合いません。
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5か月前物件の内見。ガスの引込と容量・電気の契約容量・三相200Vの有無・排気ダクトの経路・給排水とグリストラップを必ず確認ここでの見落としが、後から数十万〜百万円単位の追加工事になります。電気・ガス・給排水の容量の目安に内見時のチェックリストを載せています。
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4か月前物件契約/施工会社の選定と相見積もり/保健所へ事前相談/厨房レイアウトの確定保健所へは図面を持参します。シンクの槽数や手洗いの位置は、着工前に確定させておけば手戻りがありません。
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3か月前厨房機器の発注/日本政策金融公庫などへ融資の申込/メニューの試作製氷機・食器洗浄機・スチームコンベクションオーブンなどは納期4〜8週間かかる機種があります。融資は申込から着金まで1〜1.5か月が目安です。
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2か月前内装工事の着工/消防へ各種届出/メニューと原価の確定/仕入先の決定/求人の開始火を使用する設備等の設置届は設置前、防火対象物使用開始届は使用開始の7日前までです。
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1か月前厨房機器の搬入と試運転/保健所の施設検査/スタッフ採用と研修/販促の開始/レジ・POSの設定搬入経路(エレベーターのサイズ、階段幅、間口)は事前に採寸を。物理的に入らず、扉を外す・分解する事態が実際に起きます。
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2週間前営業許可証の交付/保健所への各種確認/衛生管理計画の作成/備品の最終発注
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1週間前プレオープンでオペレーションを確認/原価と提供時間の検証/近隣へのあいさつプレオープンは「料理を出す練習」ではなく、ピーク時に厨房が回るかを確かめる場です。動線の問題はここでしか見つかりません。
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開業開業届の提出(開業日から1か月以内)/青色申告承認申請(原則2か月以内)
要注意遅れが出やすい3つの工程と、その対処
| 工程 | かかる期間 | 遅れる原因 | 対処 |
|---|---|---|---|
| 融資の実行 | 申込から着金まで 1〜1.5か月 |
事業計画書の書き直し、自己資金の出所の確認、面談日程の調整。 | 物件の目星がついた段階で相談を開始します。着金前に発注が必要な場合、支払時期を販売店と調整しておきます。 |
| 厨房機器の納期 | 在庫品は1〜2週間 受注生産は4〜8週間 |
受注生産品、人気機種の在庫切れ、年度末や年末の繁忙期。 | 納期が長い機種(食洗機・スチコン・特注サイズ)を先に特定し、他より早く発注します。 |
| 保健所・消防の協議 | 事前相談から 許可まで1〜2か月 |
着工後に基準の不適合が判明し、配管や区画をやり直すことになる。 | 着工前に図面を持って相談します。指摘は設計段階なら図面の修正だけで済みます。 |
内装工事が1週間遅れると、機器の搬入日がずれ、試運転が遅れ、保健所の検査日が取れなくなり、結果として開業が2〜3週間遅れる、ということが起きます。工程表には各工程の間に数日のバッファを入れておいてください。
直前の抜け漏れ防止開業1週間前のチェックリスト
- 営業許可証は交付されているか:店内の見やすい場所に掲示します。
- 厨房機器はすべて試運転済みか:製氷機は初回の氷を廃棄し、食洗機は洗浄温度を確認します。
- ガス機器の点火と立ち消え安全装置:全口を点火し、炎の色と消火動作を確認します。
- 冷蔵庫・冷凍庫が設定温度に到達しているか:庫内が冷えるまで半日以上かかります。仕込みの前日までに稼働させておきます。
- ブレーカーが落ちないか:全機器を同時稼働させ、ピーク時の負荷を実際に試します。
- お湯が出るか:手洗いと洗浄シンクの給湯を確認します。保健所の検査項目でもあります。
- 衛生管理計画とチェック表の準備:HACCPに沿った記録を初日から始められる状態に。
- レジ・釣銭・キャッシュレス決済:決済端末の通信と、釣銭の準備。
- 従業員の研修:オーダーから提供までの流れを、実際の動線で通します。
- ゴミの回収体制:事業系ごみの契約は済んでいるか。生ごみの保管場所も決めておきます。
3〜4か月で開きたい場合期間を短縮したいときの考え方
短縮できる工程と、短縮できない工程があります。無理に詰めると、後から費用として跳ね返ります。
- 内装工事期間居抜き物件を選べば1〜2か月短縮できます
- 物件探しエリアと条件を絞れば早く決まります
- 厨房機器の調達在庫のある中古なら即納も可能です
- 融資の審査期間申込から着金まで1〜1.5か月は動きません
- 営業許可の手続き申請から検査、交付までの日数は決まっています
- 食品衛生責任者の講習開催日程に依存します
短縮の王道は居抜き物件です。ただし、前の店と業態が違えば結局は壊すことになり、かえって高くつきます。判断材料は 飲食店の開業資金 の「居抜きとスケルトンの費用差」にまとめています。
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スケジュールが崩れる原因の多くは、工事が始まってから厨房の中身が変わることです。先に機器を実寸で配置した図面と、設備の必要容量をまとめておくことで、保健所への事前相談も、施工会社との打ち合わせも一度で進みます。
- 厨房レイアウト図/着工前の協議資料としてそのまま使えます
- 設備総容量リスト/電気・ガスの必要容量を機器ごとに集計
- 工事の要否判定/引込工事が必要かどうかを事前に把握できます
よくある質問
開業までにどれくらいの期間がかかりますか?
物件探しから開業まで6か月程度をみておくと安全です。居抜き物件で工事が軽ければ3〜4か月に短縮できますが、融資の審査期間と厨房機器の納期は短縮できないため、この2つが下限を決めます。
厨房機器はいつ発注すればよいですか?
開業の3か月前が目安です。在庫品なら1〜2週間で届きますが、受注生産品や人気機種は4〜8週間かかることがあります。食器洗浄機やスチームコンベクションオーブンなど納期の長い機種を先に特定し、他より早めに発注してください。
保健所への相談はいつ行けばよいですか?
内装工事の着工前です。図面を持参して相談すれば、シンクの槽数や手洗いの位置など、基準に関わる指摘を設計段階で反映できます。工事完了後に指摘を受けると、配管のやり直しで費用も工期も大きく増えます。
プレオープンは必要ですか?
強くおすすめします。プレオープンの目的は料理を出す練習ではなく、ピーク時に厨房が回るかを確かめることです。通路幅が足りない、動線が交差する、提供が間に合わないといった問題は、実際に人を入れてみないと見つかりません。
さらに詳しい質問と回答は よくある質問ページ にまとめています。
まとめこの記事の要点
- 6か月逆算が目安。物件契約の瞬間から家賃が発生するため、遅延はそのまま損失になる。
- 遅れが出やすいのは融資の実行・厨房機器の納期・保健所と消防の協議の3工程。
- 工事の遅延は連鎖する。内装が1週間遅れると、搬入・試運転・検査がずれて開業は2〜3週間遅れる。
- 納期の長い機種(食洗機・スチコン・特注サイズ)を先に特定して、他より早く発注する。
- 短縮できる工程とできない工程がある。保健所の協議と機器の納期は圧縮できない。
スケジュールで効くのは、前倒しできるものを片っ端から前に置くことです。講習の予約、保健所への事前相談、納期の長い機器の発注。この3つを先に動かすだけで、後半の余裕がまったく変わります。
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