ちゅーぼーシミュレーターCHUBO SIMULATOR 無料診断をはじめる
機器の選び方

製氷機の選び方
日産能力の目安と設置条件

製氷機は「日産◯kg」で選びますが、その数字は条件のよい環境での能力です。夏場の厨房で、同じだけ作れるとは限りません。足りなくなる店の多くは、能力そのものではなく置き場所でつまずいています。

最終更新:2026年7月28日/掲載内容は一般的な目安です。最終的な判断は所轄の窓口や施工業者にご確認ください。

前提日産能力の考え方

製氷機のカタログにある日産◯kgは、24時間あたりに製造できる氷の量です。ただしこれは一定の条件下での数値で、実際の厨房ではそこまで出ないことがあります。

能力が落ちる要因内容
周囲の温度厨房の気温が高いほど製氷能力は落ちます。夏場のピークは、カタログ値どおりにはいきません
給水の温度水温が高いと凍らせるのに時間がかかります
放熱スペース壁に密着させる、隣を機器で挟むと、熱がこもって能力が落ちます
熱源からの距離コンロやフライヤーの近くは条件として不利です
スケール(水垢)の付着清掃を怠ると製氷部に付着し、能力が落ちて故障にもつながります
ストッカーが満杯貯氷量の上限に達すると製氷が止まります。貯氷量も選定条件です
選定は「日産」だけでなく「貯氷量」も見ます

日産能力が足りていても、ピーク時に一気に使う量を貯めておけなければ切れます。逆に貯氷量が大きくても、作るスピードが追いつかなければ回りません。ピークの使用量に貯氷量が耐えられるかという視点で選んでください。

目安席数と業態からの考え方

必要な氷の量は、1日の提供杯数 × 1杯あたりの氷の量 + 仕込み・保冷で使う量で決まります。業態によって、この構成が大きく変わります。

業態氷の使われ方必要量の傾向
バー・居酒屋ドリンクに大量に使用。回転も速いもっとも多い。席数に対して大きめを見込みます
カフェアイスドリンク中心。夏場に集中します季節変動が大きい。夏のピークで選定します
寿司店・鮮魚を扱う店ドリンク+ネタの保冷に使用保冷分を上乗せして考えます
ラーメン店水・ドリンク用が中心。冷やし系メニューがあれば増えます比較的少なめ
焼肉店・定食店ドリンク用が中心席数と回転数に比例します
夏のピークで選ぶ

製氷機は1年でいちばん使う日を基準に選びます。平均に合わせると、夏場に必ず足りなくなります。足りないぶんを購入氷で埋める運用は、原価としても手間としても重くなります。

当サイトの無料診断では、席数と業態に応じた必要日産量を算出し、該当するサイズの機種を提案します。

無料・登録不要・5分 必要な日産能力を、席数と業態から自動で算出。 業態ごとの氷の使い方の違いを織り込んで、必要な日産量とそれに対応する機種、外形寸法、概算費用を提示します。設置に必要な給排水と電源の条件も同時に確認できます。 厨房機器と費用を無料で診断する 夏のピークを前提にした算出です

種類氷の形状と用途

形状特徴向く用途
キューブアイス四角い氷。溶けにくく、透明度が高いドリンク全般。もっとも汎用的です
クラッシュアイス砕いた氷。冷却が速く、隙間に入りますカクテル、かき氷系、ソフトドリンク
チップアイス・フレークアイス薄く細かい氷。食材を傷つけにくい鮮魚の保冷、ネタケース、青果の陳列
ボールアイス球形。溶けにくく見栄えがよいウイスキー、こだわりのドリンク提供

キューブとチップの両方が必要な業態(寿司店、鮮魚を扱う居酒屋など)では、2台に分けるか、用途を割り切るかの判断になります。1台で兼ねようとすると、どちらの用途でも中途半端になりがちです。

形状アンダーカウンターとスタックオン

タイプ特徴電源の傾向
アンダーカウンター型作業台の下に収まる高さ。小〜中容量。省スペース単相100Vの機種が中心
バーチカル型(縦型)中〜大容量。設置面積あたりの製氷量が大きい容量により単相/三相
スタックオン型製氷ユニットとストッカーが分離。大容量向け三相200Vが前提の機種が主流
大型機は三相200V(動力)が必要です

日産100kgを超えるクラスでは、三相200Vを前提とする機種が主流になります。三相の引込がない物件では、数十万円規模の工事が発生することがあり、ビルによっては物理的に引き込めない場合もあります。物件契約の前に確認してください。→ 電気・ガス・給排水の容量

設置置き場所で能力は変わります

  • 給水が必要/水道の分岐が必要です。給水位置から離れると配管工事が増えます。
  • 排水が必要/製氷機は排水も出ます。排水口の位置が設置場所を制約します。
  • 放熱スペース/背面・側面に機種ごとの指定があります。塞ぐと能力が落ち、故障も早まります。
  • 熱源から離す/コンロやフライヤーの隣は避けます。
  • 氷を取り出しやすい位置/ドリンクを作る場所から遠いと、営業中ずっと往復することになります。
  • 水質と浄水器/地域の水質によっては、スケール対策として浄水器の設置を検討します。氷の味にも関わります。
  • メンテナンススペース/清掃と点検のために前面や上部を開ける必要があります。

配置の考え方は 厨房レイアウトと通路幅、搬入経路の測り方は 搬入と設置 をご覧ください。

運用清掃を前提に選ぶ

製氷機は口に入るものを作る機器です。氷は加熱しないため、衛生管理の対象として扱います。定期的な清掃を前提に、機種と設置場所を選んでください。

  • 日常清掃/ストッカー内部、スコップ、扉まわり。スコップを氷の中に入れっぱなしにしないのが基本です。
  • 定期清掃/製氷部、フィルター、排水経路。機種ごとに手順の指定があります。
  • 清掃しやすい機種を選ぶ/分解しやすさは機種で差があります。日々の作業の負担に直結します。
  • 記録に残す/HACCPに沿った衛生管理では、清掃も管理項目になります。→ HACCPに沿った衛生管理
中古の製氷機は慎重に

製氷機は冷却系統と水回りの両方を持つ機器で、内部の状態が外から見えません。中古では慎重に選ぶ側に入ります。導入するなら、清掃履歴と製造年が確認できるものに限定してください。→ 中古厨房機器の選び分け

見積もりまで無料
製氷機の置き場所を、給排水の位置から決める。

厨房図面の作成依頼  /  ちゅーぼーラボ

作成料 33,000 税込 面積・プランに応じて変わります。お見積りの提示までは費用がかかりません。金額をご確認いただいたうえで、お申し込みをご判断いただけます。

製氷機は給水・排水・放熱・電源の4条件が揃う場所にしか置けません。しかもドリンクを作る位置から遠いと、営業中の動線が伸び続けます。給排水の取り出し位置を前提に配置を決めることで、工事費と日々の手間の両方を抑えられます。

  • 必要日産量の算定/業態とピーク時の使用量から機種を選定
  • 厨房レイアウト図/給排水位置・放熱スペース・動線を踏まえた配置
  • 電源計画/三相200Vの要否を契約前に判定
配置まで含めた図面を依頼する 診断結果をお持ちでなくてもご相談いただけます。

よくある質問

製氷機の日産能力はどう決めればよいですか?

1日の提供杯数に1杯あたりの氷の量を掛け、仕込みや保冷で使う分を足して考えます。基準にするのは年間の平均ではなく夏場のピークです。平均に合わせると必ず足りなくなります。バーや居酒屋は席数に対して大きめ、ラーメン店は比較的少なめというように、業態によって必要量が変わります。

カタログの日産能力どおりに氷はできますか?

一定の条件下での数値なので、実際は下回ることがあります。厨房の気温が高い、給水温度が高い、放熱スペースが足りない、熱源の近くに置いている、といった条件で能力は落ちます。夏場は特に差が出るため、余裕を見て選定してください。

製氷機に三相200Vは必要ですか?

日産100kgを超えるクラスでは三相200Vを前提とする機種が主流です。アンダーカウンター型など小容量の機種は単相100Vが中心です。三相の引込がない物件では数十万円規模の工事になることがあり、ビルによっては引き込めない場合もあるため、物件契約の前に確認してください。

製氷機は中古でも大丈夫ですか?

冷却系統と水回りの両方を持ち、内部の状態が外から見えないため、中古では慎重に選ぶ側の機器です。氷は加熱せずそのまま口に入るものなので、衛生面のリスクもあります。導入するなら、製造年と清掃履歴が確認できるものに限定してください。

さらに詳しい質問と回答は よくある質問ページ にまとめています。

まとめこの記事の要点

  • 選定は日産能力と貯氷量の両方。ピーク時に使う量を貯めておけるかを見る。
  • カタログ値は条件のよい環境での数値。夏場のピークを基準に余裕を見て選ぶ。
  • 氷の形状は用途で決まる。キューブとチップの両方が要る業態は2台構成も検討する。
  • 日産100kg超のクラスは三相200Vが前提。物件契約前に引込を確認する。
  • 置き場所には給水・排水・放熱・電源の4条件が要る。動線からの距離も効いてくる。

製氷機は、止まると営業がそのまま止まる機器です。能力に余裕を持たせること清掃しやすい場所に置くこと。この2点を押さえておけば、開業後に困ることはほとんどありません。

この記事を書いた人

ちゅーぼーシミュレーター 運営者

業務用厨房レイアウト設計/実務10年

  • HACCPコーディネーター
  • 二級管工事施工管理技士

業務用厨房のレイアウト図作成に10年従事。ラーメン店・カフェ・居酒屋・焼肉店・キッチンカーなどの個人店舗から、セントラルキッチンや学校給食施設まで作図を担当してきました。 現在は、その実務で使っていた機器選定と設備容量の基準をデータベース化し、本サイトの診断ロジックとして公開しています。

詳細プロフィールを見る