ちゅーぼーシミュレーターCHUBO SIMULATOR 無料診断をはじめる
レイアウト

厨房レイアウトの基本
4つの型と、通路幅の考え方

厨房の使いやすさは、機器の性能よりも動線と通路幅で決まります。機器の寸法が面積に収まっていても、通路が確保できなければ実際には回りません。図面の段階で見るべき点を整理します。

最終更新:2026年7月24日/掲載内容は一般的な目安です。最終的な判断は所轄の窓口にご確認ください。

基本形厨房レイアウトの4つの型

I型
壁一面に一列。10坪以下の小規模店やカウンター店に。動線が短く、1人でも回せます。
L型
角を使い、加熱と洗浄を分けられます。もっとも採用例の多い型です。
II型(対面)
加熱側と洗浄側を向かい合わせに。2人以上で作業する店に向きます。
アイランド型
中央に加熱機器を配置。広さが要りますが、複数人での作業効率は最も高くなります。
向く広さ作業人数長所短所
I型〜10坪1〜2人動線が最短。配管が壁一面に集約でき、工事費も抑えられます。作業スペースが横に伸びるため、人数が増えると渋滞します。
L型10〜20坪2〜3人加熱と洗浄を分離しやすく、動線が交差しにくい。角の部分がデッドスペースになりやすい。
II型15〜30坪2〜4人振り向くだけで作業が移れる。効率が高い。中央通路の幅が足りないと、すれ違いで詰まります。
アイランド型25坪〜3人以上複数人が同時に動ける。オープンキッチンにも向く。広さが必要。中央の機器には給排気の経路確保が課題。

最重要通路幅の基準

条件必要な幅備考
1人で作業する通路750〜900mmこれ以下だと、扉付き機器が開ききりません。
2人がすれ違う通路1,200mm以上ホールスタッフが入る動線は特に確保します。
台車が通る通路1,000mm以上仕込み量が多い店、搬入経路になる部分。
作業者の背後を通る1,350mm以上作業中の人の後ろを安全に通れる幅。
図面上の通路幅と、実際に通れる幅は違う

冷蔵庫の扉は600〜700mm前に開きます。オーブンの扉は下開きで、開いた状態が作業のじゃまになります。食器洗浄機のドアは上に開くタイプと手前に開くタイプで、必要なスペースが変わります。図面を見るときは、必ず扉を開いた状態で通路が残るかを確かめてください。

通路幅を確保できないときは、機器のサイズを一段落とすか、台数を減らすか、配置を変えるしかありません。この判断は着工前にしかできないため、図面の段階で詰めておくことが重要です。

無料・登録不要・5分 必要な機器と外形寸法が、そもそもわからない。 業態と席数を選ぶだけで、必要な厨房機器の一覧と、各機器のW×D×H、機器が占める床面積の合計を算出します。厨房面積が足りているかの判定つきです。 厨房機器と費用を無料で診断する 無料・登録不要・約5分

面積配分厨房面積はどれくらい必要か

一般的な目安は延床面積の3分の1です。ただし業態によって適正値は変わります。

業態厨房比率の目安理由
カフェ・バー20〜25%調理工程が少なく、客席を優先できます。
ラーメン店25〜35%寸胴と茹で麺機が場所を取りますが、回転が速く客席も必要です。
居酒屋30〜35%調理と仕込み、ドリンクの両方が必要になります。
定食・食堂30〜35%複数のメニューを同時に仕上げるスペースが要ります。
洋食・レストラン33〜40%仕込みと保管の面積が大きくなります。
テイクアウト専門50%以上客席がほぼ不要なぶん、厨房と包装スペースが中心になります。
厨房を削りすぎると、客席も回らなくなる

客席を増やしたい気持ちはわかりますが、厨房が回らなければ提供が遅れ、回転率が落ちます。席を4席増やすより、提供時間を2分縮めるほうが売上に効くことは珍しくありません。

衛生設計汚染区域と非汚染区域を分ける

衛生管理の基本は、汚れたものと、きれいなものの動線を交差させないことです。これをワンウェイ(一方通行)の動線と呼びます。

  • 汚染作業区域:検収、下処理、食器の返却・洗浄。土や包装の汚れ、使用済み食器が入ってくる場所です。
  • 準清潔作業区域:加熱調理。
  • 清潔作業区域:盛り付け、配膳、洗浄済み食器の保管。

理想は「検収 → 下処理 → 加熱 → 盛付 → 提供」が一方向に流れ、逆流しない配置です。小規模店で完全に分けるのは難しいので、現実的には次の3点を守ります。

  1. 下処理用のシンクと、洗い場(食器洗浄)を離す。
  2. 盛り付け台の近くに、使用済み食器を置かない。
  3. 生食材を扱う場所と、加熱後の食品を扱う場所で、まな板と器具を分ける。

この動線が図面に反映されていると、保健所の事前相談もスムーズに進みます。

配置の定石機器を並べる順番

  • ガス機器は排気フードの真下に集める:フードは後から動かせません。加熱機器の位置がフードの位置を決めます。
  • 冷蔵庫は加熱機器から離す:熱源のそばに置くと消費電力が上がり、庫内温度も安定しません。最低でも1m以上は離します。
  • コールドテーブルは調理台の隣:取り出してすぐ使える位置に。動線が最も短くなる配置です。
  • 製氷機はドリンク提供の近くへ:ただし放熱するため、冷蔵庫と密着させないでください。
  • 食器洗浄機はホールからの返却口の近くへ:ソイルドテーブル(汚れた食器を置く台)とクリーンテーブル(洗浄後を受ける台)をセットで確保します。
  • 手洗いは入口付近に:厨房に入ってすぐ手を洗える位置が理想です。作業台の下に隠れる位置は避けます。
  • 冷蔵庫の扉の向き:右開き・左開きを間違えると、通路側に開いて動線をふさぎます。発注前に確認します。

実例よくある失敗5つ

  • 面積は足りたのに、置けなかった:柱・梁・段差・窓の位置で、想定の場所に機器が入らないケース。平面積の計算だけでは判断できません。
  • 扉が開かない:冷蔵庫と壁の間が足りず、扉が90度までしか開かない。奥の棚が引き出せない。
  • フードの真下に機器が収まらない:フードの寸法が先に決まっていて、後から選んだガスレンジがはみ出す。
  • 搬入できない:入口の幅、エレベーターの奥行き、階段の踊り場で機器が通らない。特に縦型冷蔵庫(W1200×D800)は要注意です。
  • コンセントが足りない・位置が悪い:機器の背面にコンセントがあり、機器を壁に寄せられない。専用回路が足りずブレーカーが落ちる。
無料相談
面積は足りている。でも、本当に置けますか。

厨房図面の作成依頼  /  厨房図面ラボ

機器の寸法を足した数字が厨房面積に収まっていても、実際に置けるとは限りません。決めるのは間口・柱・梁・通路幅・給排水とガスの取り出し位置です。選定した機器を実寸で配置し、扉の開き代と作業動線まで確認した図面を作成します。

  • 厨房レイアウト図/機器を実寸配置し、通路幅と扉の開き代まで検証
  • 設備総容量リスト/ガス消費量と電気容量を機器ごとに集計
  • 搬入経路の確認/間口・エレベーター寸法を踏まえた設置可否の判断
図面と設備総容量リストを依頼する 診断結果をお持ちでなくてもご相談いただけます。

よくある質問

厨房の通路幅はどれくらい必要ですか?

1人で作業する通路で750〜900mm、2人がすれ違う通路では1,200mm以上が目安です。冷蔵庫の扉は600〜700mm前に開くため、図面上の通路幅ではなく、扉を開けた状態の有効通路幅で確認してください。

厨房の面積はどれくらい必要ですか?

一般的には延床面積の3分の1程度が目安です。ただし業態で変わり、カフェやバーは20〜25%、洋食やレストランは33〜40%、テイクアウト専門店は50%以上になります。機器の設置寸法が収まっても、間口・柱・梁・通路幅・給排水の取り出し位置によって配置できない場合があります。

小さい厨房ではどのレイアウトがよいですか?

10坪以下ならI型が基本です。壁一面に機器を並べるため動線が最短になり、給排水やガスの配管も一面に集約できるので工事費も抑えられます。10坪を超えるならL型が使いやすくなります。

オープンキッチンにする場合の注意点は何ですか?

客席と厨房の区画について、保健所の判断を事前に確認してください。加えて、加熱機器の熱と匂いが客席に流れないよう排気計画を丁寧に設計する必要があります。洗い場が客席から見えない配置にすることも大切です。

さらに詳しい質問と回答は よくある質問ページ にまとめています。

まとめこの記事の要点

  • レイアウトは4つの型(I型・L型・II型・アイランド型)。広さと作業人数で選ぶ。
  • 通路幅は1人作業で750〜900mm、すれ違いで1,200mm以上。台車が通るなら1,000mm以上。
  • 図面上の通路幅と、実際に通れる幅は違う。冷蔵庫の扉は600〜700mm前に開く。扉を開いた状態で通路が残るか確かめる。
  • 厨房面積は延床の3分の1が一般的な目安。ただし業態で適正値は変わる。
  • 汚染区域と非汚染区域を分け、ワンウェイ(一方通行)の動線にする。

レイアウトは、着工前にしか決められないことがほとんどです。通路が足りないと分かったとき、打てる手は機器を一段小さくするか、台数を減らすか、配置を変えるかの3つだけ。図面の段階で詰めきってください。

この記事を書いた人

ちゅーぼーシミュレーター 運営者

業務用厨房レイアウト設計/実務10年

  • HACCPコーディネーター
  • 二級管工事施工管理技士

業務用厨房のレイアウト図作成に10年従事。ラーメン店・カフェ・居酒屋・焼肉店・キッチンカーなどの個人店舗から、セントラルキッチンや学校給食施設まで作図を担当してきました。 現在は、その実務で使っていた機器選定と設備容量の基準をデータベース化し、本サイトの診断ロジックとして公開しています。

詳細プロフィールを見る