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運営コスト

飲食店の水道光熱費の目安
売上比率と、機器選定で決まる固定費

水道光熱費は、開店してから節約するものだと思われがちですが、実際は機器を選んだ時点で大部分が決まっています。24時間動き続ける機器をどう選ぶか。ここが最も効きます。

最終更新:2026年7月28日/掲載内容は一般的な目安です。最終的な判断は所轄の窓口や施工業者にご確認ください。

目安水道光熱費の売上比率

飲食店の水道光熱費は、一般に売上のおおむね5〜8%程度が目安とされます。ただしこれは業態・立地・季節・営業時間で大きく変わる数字で、加熱調理の多い業態や長時間営業の店では、これを上回ることがあります。

費目売上比の目安性質
電気3〜5%程度基本料金+従量。常時稼働の機器が効く。空調の比重も大きい
ガス1〜3%程度加熱調理の量に比例。業態による差がもっとも大きい
水道1〜2%程度洗浄・仕込み・製氷。下水道使用料も含まれます

いずれも一般的な目安です。単価は地域と契約によって異なり、季節変動も大きいため、事業計画では余裕を持った数字を置いてください。

開業初月は売上が読めず、比率が跳ね上がります

光熱費には基本料金という固定部分があります。売上が計画に届かない時期は、比率が想定より大きくなります。資金計画では、比率ではなく金額でも見込んでおいてください。→ 飲食店の開業資金

内訳何に使われているか

電気

  • 常時稼働の機器/冷蔵庫、冷凍庫、製氷機。営業していない時間も動き続けます。ここが電気代の土台です。
  • 空調/客席と厨房。夏場は電気代の大きな部分を占めます。
  • 加熱機器/電気オーブン、IH、スチームコンベクションオーブンなど。
  • 洗浄機/加熱とモーター。
  • 照明・換気ファン/営業時間中は動き続けます。

ガス

  • コンロ、レンジ、フライヤー、麺茹で機、寸胴。
  • 給湯/洗浄と仕込みで使う湯。見落とされやすい費目です。
  • 都市ガスかLPGかで単価の構造が変わります。LPGは供給業者との契約次第です。

水道

  • 洗浄(食器・調理器具・清掃)、仕込み、製氷、トイレ。
  • 請求には下水道使用料が含まれます。使った水量に応じて増えます。
無料・登録不要・5分 機器構成から、必要なガス・電気の容量を算出。 業態・席数・メニューを選ぶと必要な機器が決まり、そのガス消費量(kW)と電気容量(単相・三相)の合計を算出します。契約容量の目安がわかると、基本料金の見当もつけられます。 厨房機器と設備容量を無料で診断する 物件の契約容量で足りるかも判定します

業態差どこにコストが偏るか

業態重い費目理由
ラーメン店ガス/水道スープの炊き出しと麺茹で機が連続稼働します。茹で水の使用量も大きい
カフェ電気エスプレッソマシン、冷蔵ショーケース、製氷機。ガスの比重は小さい
居酒屋電気/ガスの両方多品目・多熱源。冷蔵庫の台数も多くなります
焼肉店電気(排気・空調)ロースターの排気量が大きく、空調負荷も大きくなります
バー電気製氷機と冷蔵庫が中心。加熱は限定的です
テイクアウト専門電気/ガス調理方式によります。洗浄が少ないぶん水道は軽め

業態別の機器構成は ラーメン店カフェ居酒屋 などの開業ガイドにまとめています。

本題機器選定の段階で決まる部分

水道光熱費のうち、開業後の努力ではほとんど動かせない部分があります。それは機器の構成で決まります。

  • 常時稼働機器の台数と容量/冷蔵庫・冷凍庫・製氷機は24時間動きます。必要以上に大きいものを入れると、毎月ずっと払い続けることになります。
  • 機器の年式と効率/古い中古機は消費電力が大きいことがあります。本体価格の差を、数年の電気代で逆転することがあります。
  • 設置場所/冷蔵庫や製氷機を熱源の隣に置くと、冷却効率が落ちて電気を余分に使います。
  • 排気と給気のバランス/給気が不足すると燃焼効率が落ち、空調も効きにくくなります。→ 排気フードとダクト
  • 契約容量/過大な契約は、基本料金として毎月かかり続けます。
  • 断熱と扉の性能/冷蔵庫のパッキンが劣化していると冷気が漏れ続けます。
中古機器は「本体価格+数年分の電気代」で比べる

中古の冷蔵庫が新品より数十万円安かったとしても、消費電力が大きく、故障リスクも高いなら、数年で差は縮まります。常時動く機器ほど、初期費用だけで判断しないほうが結果的に安く済みます。→ 中古厨房機器の選び分け

契約契約容量と基本料金

電気料金は基本料金+従量料金で構成されます。基本料金は契約容量で決まるため、使わなくても毎月発生します

  • 過大な契約は毎月の固定費になります。ただし不足するとブレーカーが落ち、営業が止まります。
  • 三相200V(動力)を引くと、その分の基本料金が別に発生します。使う機器が1台だけなら、単相で足りる機種に変える選択肢も検討する価値があります。
  • ガスもLPGは契約次第で単価が変わります。複数社に見積もりを取る余地があります。
  • 開業前に必要容量を計算しておく。契約容量は、機器構成から算出できます。

容量の考え方と物件契約前の確認項目は 電気・ガス・給排水の容量 にまとめています。

運用開業後に下げられる部分

  • 冷蔵庫の詰め込みすぎをやめる/庫内の空気が回らないと冷えず、余計に電気を使います。
  • パッキンの点検/冷気が漏れていれば冷やし続けます。定期的に確認します。
  • 凝縮器(コンデンサ)の清掃/埃が詰まると放熱できず、効率が落ちます。
  • 製氷機の清掃/スケールが付くと能力が落ち、電力あたりの製氷量が減ります。
  • 換気ファンの運転時間/営業前後の運転を見直します。ただしガス機器使用中は必ず運転してください。
  • 給湯温度の設定/必要以上に高い設定は、そのままコストになります。
  • 照明のLED化/営業時間が長い店ほど効きます。
  • 検針票を毎月記録する/数字を並べておくと異常に気づけます。急な増加は故障や漏水のサインです。
安全に関わる部分は削減対象にしません

換気と給気は、ガス機器を安全に使うための設備です。光熱費を理由に止めると、不完全燃焼の危険があります。削減の対象は、安全と衛生に関わらない部分だけにしてください。

見積もりまで無料
毎月の固定費を、機器を決める前に下げる。

厨房図面の作成依頼  /  ちゅーぼーラボ

作成料 33,000 税込 面積・プランに応じて変わります。お見積りの提示までは費用がかかりません。金額をご確認いただいたうえで、お申し込みをご判断いただけます。

水道光熱費の大部分は、機器の構成と契約容量で決まります。過大な容量の機器を入れない、三相が本当に必要かを見極める、熱源と冷却機器を離す。この3点は図面の段階でしか調整できません。開業後に取り返すのは困難です。

  • 設備総容量リスト/ガス(kW)・単相・三相を機器ごとに集計
  • 契約容量の適正化/過大契約による基本料金の無駄を回避
  • 厨房レイアウト図/熱源と冷却機器の位置関係まで踏まえた配置
設備総容量リストを依頼する 診断結果をお持ちでなくてもご相談いただけます。

よくある質問

飲食店の水道光熱費は売上の何%が目安ですか?

一般にはおおむね5〜8%程度が目安とされます。内訳としては電気が3〜5%、ガスが1〜3%、水道が1〜2%程度です。ただし業態・立地・営業時間・季節で大きく変わり、加熱調理の多い業態や長時間営業の店ではこれを上回ります。事業計画では余裕を持った数字を置いてください。

電気代が高くなりやすいのはどんな店ですか?

冷蔵庫・冷凍庫・製氷機など24時間稼働する機器が多い店です。カフェやバーは加熱調理が少ない一方で、製氷機と冷蔵ショーケースが常時動くため電気の比重が高くなります。焼肉店は排気量が大きく、空調負荷も加わります。

中古の厨房機器は光熱費の面で不利ですか?

年式が古い機器は消費電力が大きいことがあります。特に冷蔵庫や製氷機のように24時間動く機器では、本体価格の差を数年の電気代で逆転することがあります。常時稼働する機器ほど、初期費用だけで判断しないほうが結果的に安く済みます。

契約容量は大きめにしておくべきですか?

電気料金は基本料金と従量料金で構成され、基本料金は契約容量で決まるため、過大な契約は使わなくても毎月発生します。一方で不足するとブレーカーが落ちて営業が止まります。機器構成から必要容量を計算し、余裕を見つつ過大にならない容量を選んでください。

さらに詳しい質問と回答は よくある質問ページ にまとめています。

まとめこの記事の要点

  • 水道光熱費は売上のおおむね5〜8%が目安。電気3〜5%、ガス1〜3%、水道1〜2%程度。
  • 電気代の土台は24時間動く冷蔵庫・冷凍庫・製氷機。ここは機器選定で決まる。
  • 業態で偏りが違う。ラーメン店はガスと水道、カフェとバーは電気
  • 契約容量は基本料金として毎月固定でかかる。三相を引けばその分も別に発生する。
  • 運用で下げられるのは清掃・設定・点検の範囲。換気と給気は削減対象にしない

水道光熱費は、開業前に8割が決まり、開業後に動かせるのは残り2割という性質のコストです。機器を選ぶ段階で容量と配置を詰めておくことが、いちばん効く節約になります。

この記事を書いた人

ちゅーぼーシミュレーター 運営者

業務用厨房レイアウト設計/実務10年

  • HACCPコーディネーター
  • 二級管工事施工管理技士

業務用厨房のレイアウト図作成に10年従事。ラーメン店・カフェ・居酒屋・焼肉店・キッチンカーなどの個人店舗から、セントラルキッチンや学校給食施設まで作図を担当してきました。 現在は、その実務で使っていた機器選定と設備容量の基準をデータベース化し、本サイトの診断ロジックとして公開しています。

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