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設備トラブル

電気容量が足りないと言われたら
原因の切り分けと5つの対処法

「電気が足りない」と言われても、原因は5つあります。契約を変えるだけで済むのか、幹線から引き直すのか、そもそも不可能なのかで、費用は数千円から数百万円まで変わります。まず切り分けてください。

最終更新:2026年7月29日/掲載内容は一般的な目安です。最終的な判断は所轄の窓口や施工業者にご確認ください。

最初にやること何が足りないのかを切り分ける

「容量が足りない」という言葉は、実際には次の5つのどれかを指しています。どれに当たるかで、費用も工期も、そもそも解決できるかどうかも変わります。

原因症状・言われ方難易度
① 契約容量が小さい「契約アンペア(kVA)を上げてください」軽い。手続きで済むことがあります
② 分電盤の空き回路がない「盤に空きがありません」中。盤の増設・交換で対応します
③ 引込の幹線が細い「幹線の張り替えが必要です」重い。工事費と工期がかかります
④ 三相200V(動力)の引込がない「動力が来ていません」重い。新規引込工事になります
⑤ ビル全体の受電容量に空きがない「建物側に余裕がありません」解決不可のことがあります
切り分けるために用意するもの

① 導入予定の機器リスト(型番・消費電力kW・電源仕様)、② 分電盤の写真(扉を開けた状態、ブレーカーの数字が読めるもの)、③ 現在の契約内容がわかる書類、④ 引込口まわりの写真。これらを電気工事店に渡せば、どこが原因かはすぐに判定してもらえます。

数字必要容量の計算のしかた

必要な容量は、単相(電灯)と三相(動力)を別々に集計します。混ぜて計算しても意味がありません。

  • 1. 機器ごとの消費電力を集める/カタログの仕様欄に記載があります。単相100V/単相200V/三相200Vを区別します。
  • 2. 電源区分ごとに合計する/照明・コンセント・空調も忘れずに含めます。
  • 3. 同時に使う分を考える/すべてが同時に最大で動くわけではありません。ただし冷蔵庫・製氷機・空調は常時稼働で、ここは常に載っています。
  • 4. 起動電流を見込む/モーターを持つ機器は、動き始めに定常時より大きな電流が流れます。ぎりぎりの容量では落ちます。
  • 5. 余裕を見て契約容量を決める/ただし過大な契約は基本料金として毎月かかり続けます。
「専用回路」が必要な機器があります

厨房機器には、他の機器と回路を共有できないものが多くあります。合計容量が足りていても、回路数が足りなければ設置できません。分電盤の空きが何回路あるかは、容量とは別に確認してください。

無料・登録不要・5分 必要な電気容量を、機器構成から自動で集計。 業態・席数・メニューを選ぶと必要な機器が決まり、その電気容量(単相・三相)とガス消費量(kW)の合計を算出します。物件の契約容量を入力すれば、足りているかどうかも判定します。 厨房機器と設備容量を無料で診断する 電気工事店に相談する前の下準備に使えます

本題5つの対処法

1. 契約容量を上げる

引込の設備に余裕があれば、契約の変更だけで済むことがあります。もっとも軽い解決です。ただし基本料金は上がります。毎月の固定費として続く点は織り込んでください。→ 飲食店の水道光熱費

2. 分電盤を増設・交換する

回路数が足りない場合は、分電盤の交換や増設で対応します。厨房機器は専用回路を求められるものが多いため、開業時に余裕のある回路数にしておくほうが、後の増設より安く済みます。

3. 幹線を張り替える

引込から分電盤までのケーブルが細い場合、容量を上げても流せません。張り替えが必要になり、経路によっては壁や天井を開ける工事を伴います。内装工事と同時にやらないと、余計な費用がかかります。

4. 機器構成を見直す

これがもっとも費用対効果の高い対処であることが多い方法です。

  • 三相の機器を単相仕様の機種に変える。三相の引込工事を丸ごと回避できることがあります。
  • 大型1台を小型2台に分ける。ピーク電流を分散できます。
  • 電気からガスへ振り替える。ガスの容量に余裕があるなら有効です(逆もあります)。
  • 本当に必要かを見直す。食洗機やスチコンは、その1台のために三相を引くだけの価値があるかを検討します。

5. 運用でピークをずらす

同時起動を避ける運用も、限定的ですが有効です。ただし営業中の運用でカバーするのは現実的でないことが多く、恒久的な解決にはなりません。あくまで補助的な手段です。

費用工事費と期間の目安

工事費用の傾向期間の傾向
契約容量の変更のみ軽微。工事を伴わない場合もあります申込から比較的短期間
分電盤の交換・増設数万円〜数十万円規模1日程度の作業
幹線の張り替え数十万円規模〜。経路と距離で変動します内装工事と同時が前提
三相200Vの新規引込数十万円規模〜。道路側からの引込が必要な場合は増加します電力会社の手続きを含め数週間以上かかることがあります

いずれも一般的な傾向です。実際の金額は現地の状況、建物の構造、距離、電力会社の手続きによって大きく変わります。必ず現地調査のうえ見積もりを取ってください。

工期は、開業スケジュールに直撃します

電力会社への申込から工事完了までには、事務手続きの期間が必要です。内装工事の終盤で発覚すると、開業日が動きます。家賃は工事中も発生しているため、遅延はそのままコストです。→ 開業までのスケジュール

最悪のケースそもそも増やせない物件

お金を出せば解決する、とは限りません。次の場合はテナント側の努力では解決できないことがあります。

  • ビル全体の受電容量に空きがない/他のテナントが使っており、建物側に余力がない状態です。
  • キュービクル(受変電設備)の容量が上限/建物側の設備更新が必要になり、オーナーの判断になります。
  • 共用部にケーブルを通せない/ルートがない、または管理組合の承諾が下りない。
  • 引込のための物理的な経路がない/道路側から引き込めない立地。
  • オーナー・管理会社が工事を認めない/建物への影響を理由に断られることがあります。
これは「契約前に確認する項目」です

契約後に判明しても、打つ手がありません。三相200Vの引込可否とビル側の受電余力は、内見時に管理会社へ確認し、書面で回答をもらってください。口頭の「たぶん大丈夫」で契約するのは危険です。

予防物件契約前にやること

  • 導入予定の機器リストを作り、単相・三相それぞれの合計容量を出す。
  • 物件の現在の契約容量(kVA)を確認する。
  • 分電盤の空き回路数を数える。写真を撮っておく。
  • 三相200Vの引込があるかを確認する。ない場合、引込が可能かを管理会社に確認する。
  • ビル全体の受電容量に余力があるかを管理会社に確認する。
  • 不明点は書面で回答をもらう
  • 電気工事店に現地を見てもらい、概算を出してもらう。

ガス・給排水を含めた内見チェックリストは 電気・ガス・給排水の容量 にまとめています。

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作成料 33,000 税込 面積・プランに応じて変わります。お見積りの提示までは費用がかかりません。金額をご確認いただいたうえで、お申し込みをご判断いただけます。

必要な電気容量は、機器の構成が決まって初めて計算できます。選定機器ごとの単相・三相の容量を集計したリストがあれば、物件の契約容量と突き合わせて、引込工事の要否を契約前に判断できます。電力会社や電気工事店への相談にも、そのまま使えます。

  • 設備総容量リスト/単相・三相200V・ガス(kW)を機器ごとに集計
  • 引込・増設の要否判定/物件の契約容量で足りるかを事前に確認
  • 回避案の提示/三相を避けられる機種構成の検討
設備総容量リストを依頼する 診断結果をお持ちでなくてもご相談いただけます。

よくある質問

電気容量が足りないと言われたら、まず何を確認すればよいですか?

原因を切り分けてください。契約容量が小さいだけなのか、分電盤の回路が足りないのか、幹線が細いのか、三相200Vの引込がないのか、ビル全体の受電容量に空きがないのか。導入予定の機器リスト、分電盤の写真、現在の契約内容を用意して電気工事店に見てもらえば判定できます。

三相200Vの引込工事はいくらかかりますか?

数十万円規模からが目安で、道路側からの引込が必要な場合はさらに増えます。電力会社の手続きを含めると期間も数週間以上かかることがあり、開業スケジュールに影響します。金額と工期の両方を、現地調査のうえ確認してください。

三相200Vを引かずに済ませる方法はありますか?

機器構成の見直しがもっとも効果的です。三相前提の機種を単相仕様の機種に変える、大型1台を小型2台に分ける、電気からガスへ振り替える、といった方法があります。食器洗浄機やスチームコンベクションオーブンについては、その1台のために引込工事をする価値があるかを検討してください。

工事すれば必ず容量を増やせますか?

増やせない物件があります。ビル全体の受電容量に空きがない、キュービクルが上限、共用部にケーブルを通せない、管理組合の承諾が下りない、といった場合はテナント側では解決できません。これは契約前に管理会社へ確認し、書面で回答をもらうべき項目です。

さらに詳しい質問と回答は よくある質問ページ にまとめています。

まとめこの記事の要点

  • 原因は契約容量・分電盤の回路・幹線・三相の有無・ビルの受電余力の5つ。まず切り分ける。
  • 容量は単相と三相を別々に集計する。専用回路が必要な機器が多く、回路数も別途確認する。
  • もっとも費用対効果が高い対処は機器構成の見直し。三相を回避できることがある。
  • 三相の新規引込は費用も工期も大きい。開業日が動くリスクがある。
  • ビル側に余力がなければ解決できない。契約前に書面で確認する。

電気容量は、物件を契約した時点でほぼ決まってしまう条件です。内見のときに機器リストを持って行き、契約容量と分電盤と三相の有無を確認する。それだけで、開業直前の大きなトラブルはほとんど防げます。

この記事を書いた人

ちゅーぼーシミュレーター 運営者

業務用厨房レイアウト設計/実務10年

  • HACCPコーディネーター
  • 二級管工事施工管理技士

業務用厨房のレイアウト図作成に10年従事。ラーメン店・カフェ・居酒屋・焼肉店・キッチンカーなどの個人店舗から、セントラルキッチンや学校給食施設まで作図を担当してきました。 現在は、その実務で使っていた機器選定と設備容量の基準をデータベース化し、本サイトの診断ロジックとして公開しています。

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