製氷機のサイズは席数からどう決めるか
業態別・日産能力の早見表
製氷機のサイズ選びでいちばん多い失敗は、夏場に足りなくなることです。席数と業態から必要な日産クラスを引ける早見表と、その根拠になる計算をまとめました。
このページでわかること
早見表席数×業態から日産クラスを引く
下表は、1日の想定回転数を2回転程度とした場合の目安です。日産の数値は製氷機のクラス(25kg/35kg/45kg/65kg/95kg/120kg)に対応します。
| 席数 | ラーメン・定食 | カフェ | 居酒屋 | バー・ダイニング | 寿司・鮮魚あり |
|---|---|---|---|---|---|
| 15〜20席 | 25kg | 25〜35kg | 35kg | 45kg | 45kg |
| 25〜30席 | 25〜35kg | 35kg | 45kg | 65kg | 65kg |
| 35〜40席 | 35〜45kg | 45kg | 65kg | 95kg | 95kg |
| 50〜60席 | 45〜65kg | 65kg | 95kg | 120kg | 120kg |
あくまで目安です。回転数が高い店、テイクアウトのドリンク販売がある店、夏の売上比率が高い立地では、一段上のクラスを検討してください。
ネタケースの保冷、鮮魚の下処理、盛り付けの敷き氷。これらはドリンクとは別に消費されます。しかも使う氷の形状が違うため、キューブとチップで2台に分ける構成もよく採られます。→ 製氷機の選び方
根拠計算の考え方
必要日産量 = 席数 × 1日の回転数 × 1人あたりの氷使用量 + 仕込み・保冷で使う量
1人あたりの氷使用量の目安
| 業態 | 1席あたり/日の目安 | 内訳の考え方 |
|---|---|---|
| ラーメン・定食 | 0.5〜0.8kg | 水とソフトドリンクが中心。飲酒の比率が低い |
| カフェ | 0.8〜1.2kg | アイスドリンクの比率が高い。夏に大きく振れます |
| 居酒屋 | 1.2〜1.6kg | 1人あたりのドリンク杯数が多い |
| バー・ダイニング | 1.8〜2.5kg | 氷を多く使うドリンクが中心。ロックやハイボールの比率 |
| 寿司・鮮魚あり | 上記+保冷分 | ネタの保冷・敷き氷を別途上乗せします |
計算例
- 30席の居酒屋/30席 × 1.5kg = 45kg。仕込み・保冷を加味して日産45kgクラス。回転が高ければ65kg。
- 20席のカフェ/20席 × 1.0kg = 20kg。夏場の伸びを見て25〜35kgクラス。
- 40席のバー/40席 × 2.2kg = 88kg。日産95kgクラス。
- 18席のラーメン店/18席 × 0.6kg = 約11kg。最小の25kgクラスで足ります。
補正夏場とピークの補正
カタログの日産能力は一定の条件下での数値です。実際の厨房では、次の要因で下振れします。
- 厨房の気温が高い/夏場の厨房は外気より高温です。製氷能力は落ちます。
- 給水温度が高い/夏は水道水の温度も上がり、凍らせるまでの時間が延びます。
- 放熱スペースが足りない/壁に密着、両隣を機器で挟む配置は不利です。
- 熱源が近い/コンロやフライヤーの隣は条件として最悪です。
- 需要も夏に増える/能力が落ちる時期に、使用量が増えます。この二重の変動が「足りない」の正体です。
年間平均で計算すると必ず不足します。いちばん使う日を基準に、能力が落ちた状態でも足りるかを確認してください。足りない分を購入氷で埋める運用は、原価としても手間としても重くなります。
見落とし貯氷量も一緒に見る
日産能力は「24時間でつくれる量」です。ところが飲食店の氷は数時間に集中して消費されます。ここで効いてくるのが貯氷量(ストッカー容量)です。
- 貯氷量は、おおむね日産能力の3〜5割程度が目安になります(機種により異なります)。
- ストッカーが満杯になると製氷は止まります。営業前に満タンにしておく運用が基本です。
- ピークで一気に使い切ると、その後はつくれる速度でしか供給されません。
- ピーク集中型の店(バー、ディナー中心の店)は、日産よりも貯氷量が効くことがあります。
日産と貯氷量のバランスは機種ごとに違います。カタログでは両方の数値を確認してください。
設置クラス別の設置寸法と電源
| 日産クラス | タイプ | 外形寸法の目安(W×D) | 電源 |
|---|---|---|---|
| 25kg | アンダーカウンター | 約400〜500 × 450〜600mm | 単相100V |
| 35kg | アンダーカウンター | 約500 × 450〜600mm | 単相100V |
| 45kg | アンダーカウンター | 約630 × 500〜600mm | 単相100V |
| 65kg | アンダーカウンター/バーチカル | 約630〜700 × 500〜600mm | 単相100V中心 |
| 95kg | バーチカル | 約700〜900 × 600〜700mm | 単相/三相(機種による) |
| 120kg以上 | バーチカル/スタックオン | 約900mm以上 × 700mm以上 | 三相200Vが前提の機種が主流 |
寸法・電源はメーカーと機種で異なります。実際の選定では、必ず該当機種の仕様を確認してください。
「余裕を見て大きめに」と考えて120kgクラスを選ぶと、三相200Vの引込が必要になることがあります。引込のない物件では数十万円規模の工事になり、ビルによっては引き込めません。サイズを一段上げる判断は、電源条件とセットで検討してください。→ 電気容量が足りないとき
判断迷ったときの決め方
- 夏の売上比率が高い立地能力低下と需要増が重なります
- アイスドリンクの比率が高いカフェ、ダイニングバーなど
- テイクアウトのドリンク販売がある席数に比例しません
- 鮮魚の保冷にも使うドリンクとは別枠で消費されます
- 回転数が高い2回転を超えるなら計算をやり直します
- 設置面積を食う狭い厨房では他の機器が入らなくなります
- 三相200Vが必要になることがある引込工事が発生します
- 電気代が増える24時間動く機器です
- 氷が滞留する回転しないと古い氷が残り続けます
- 本体価格が上がる初期費用に直結します
設置条件・氷の形状・清掃については 製氷機の選び方 にまとめています。
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製氷機は、給水・排水・放熱・電源の4条件が揃う場所にしか置けません。サイズを一段上げた結果、置き場所がなくなる、三相が必要になるということが実際に起こります。図面の段階で、能力と設置条件を同時に決めてください。
- 必要日産量の算定/席数・業態・回転数から機種クラスを選定
- 厨房レイアウト図/給排水位置・放熱スペース・動線を踏まえた配置
- 電源計画/三相200Vの要否を契約前に判定
よくある質問
30席の居酒屋なら製氷機は何kgクラスですか?
日産45kgクラスが目安です。計算としては、席数30 × 1席あたり1.5kg程度 = 45kg。回転数が高い店や夏の売上比率が高い立地では、一段上の65kgクラスを検討してください。
カフェの製氷機は何kgあれば足りますか?
20席なら25〜35kg、30席なら35kg、40席なら45kgが目安です。カフェは1席あたり0.8〜1.2kg程度で計算します。ただしアイスドリンクの比率が高く夏に大きく振れる業態なので、夏のピークを基準に選んでください。テイクアウト販売がある場合は席数に比例しないため、別途上乗せが必要です。
製氷機は大きめを買っておけば安心ですか?
一概には言えません。サイズを上げると設置面積を食い、日産120kgクラスでは三相200Vが必要になる機種が主流です。引込のない物件では工事費が発生します。また24時間動く機器なので電気代も増え、回転しなければ古い氷が滞留します。夏のピークで足りる範囲に収めるのが適切です。
日産能力が足りていれば、ピーク時も切れませんか?
切れることがあります。日産は24時間でつくれる量ですが、飲食店の氷は数時間に集中して消費されるためです。ここで効くのが貯氷量で、目安としては日産能力の3〜5割程度です。ピーク集中型の店では、日産より貯氷量のほうが効くことがあります。
さらに詳しい質問と回答は よくある質問ページ にまとめています。
まとめこの記事の要点
- 早見表の目安:30席の居酒屋なら45kg、20席のカフェなら25〜35kg、40席のバーなら95kg。
- 計算式は席数 × 回転数 × 1人あたり使用量 + 仕込み・保冷分。
- 1席あたりの目安はラーメン0.5〜0.8kg/カフェ0.8〜1.2kg/居酒屋1.2〜1.6kg/バー1.8〜2.5kg。
- 夏は能力が落ちて需要が増える。年間平均で選ぶと必ず不足する。
- 日産120kgクラスは三相200Vが前提の機種が主流。サイズを上げる判断は電源条件とセット。
製氷機は、足りないと営業が止まり、大きすぎると場所と電気代を食う機器です。まず早見表でクラスの当たりをつけ、そのサイズが厨房に置けるか、電源条件を満たすかを確認してください。
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